ホタルとのひととき [昆虫日記]

7月16、17、18日の三日間、

尾瀬ヶ原の第二長蔵小屋へ仕事の手伝いに行ってきました。

お蔭様で16、17日の両日とも満館の大盛況でした。

仕事が終り、久しぶりにホタルを見ました。

乱舞するとまではいきませんが、それでもあちらこちらで

その存在を確認できました。

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第二長蔵小屋から山の鼻へ向かって歩き始めると、
すぐにホタルに出逢えます。
私が8時過ぎに行った時には既にたくさんのお客様が
見にこられていて、「おーっ」 「うわー」 「きれい」 
等の声を上げながらナイトショーを楽しんでおられました。
小学生がご両親に、「うれしい、来てよかった」と
話していたのが印象的でした。

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木道を横切るホタルが偶然女性の腕に舞い降りたので
撮影させていただきました。
懐中電灯を照らしてホタルの大きさを確認すると
ゲンジボタルよりずっと小さくて1センチあるかないかです。
図鑑で調べてみると頭の色からヘイケボタルかもしれません。

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私がホタルを確認できたのは木道沿いのおそらく
30メートルぐらいの範囲だったでしょうか。
ほんわりほのかに点滅しながら舞う姿を
じーっと見つめていると
男の私ですら思わずロマンチックに浸ってしまいました。
このホタル、いつまで楽しませてくれるか不明ですが、
この時期、第二長蔵小屋に泊まって
見逃してしまうのはあまりにももったいないですよ。
尚、お出かけの際は足元が暗いので
懐中電灯はお忘れなきように。
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隠れ身の術2 [昆虫日記]

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ロッジ長蔵からスキー場へ続く道でキリギリスの仲間の幼虫を葉っぱの上で発見。

見えますでしょうか?

アップにしてみましょう。

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あくまでもバッタではなくキリギリスの仲間です。

じゃあ、どこが違うんだ?ということですが、

つまり触角の長さが違います。

バッタは短く、キリギリスは長いということです。

仮面ライダーはバッタの改造人間ということになっていますが、

顔からちょんちょんと生えているひげ(触覚)は確かに短いです。

長ければキリギリスやコオロギになってしまいますからね。

もちろんバッタとキリギリスは親戚関係にあり、

漢字をどっさり使って分類すると

動物界節足動物門昆虫綱バッタ目のバッタ科とキリギリス科
ということになるはずです。

間違ってたらごめんなさい。

それにしてもバッタ科という表現がなんだか高校の普通科、商業科などと

同じように感じてしまうのは私だけでしょうか?

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セミが隠れていますが判りますか? アップにしてみましょう。

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いかがでしょう。

エゾハルゼミのメスです。

以前このブログで紹介したオスと見比べてもらうとお腹の色と形が違います。

大きさもひとまわり小さいです。

それにしても見事に木に溶け込んでいます。

メスは鳴きませんし動かなければまず私には発見できませんでした。

現在、ほとんどエゾハルゼミはいなくなりニイニイゼミが鳴き始めました。

またしても仮面ライダーの話になりますが、セミの怪人セミミンガというのが出てきます。

殺人音波で街中を大混乱させるという話でしたが、

実際、大量のセミに間近で鳴かれたら精神的にもかなりのダメージですよね。

特に私にはアブラゼミとクマゼミが手強い気がします。

幸いロッジの近くではほとんどアブラゼミの声を聞きませんし、

クマゼミは寒さに弱いセミといわれているので、

標高1000メートルのこの辺りには生息していないと思われます。

いずれにしろセミにはほどほどに鳴いてもらいたいものです。

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ゾウムシ [昆虫日記]

ゾウムシは見た目はとても地味な昆虫ですが、
日本に約1000種類いるとても大きなグループです。

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当然1000種類もいれば色や形の似ているものも多くて
クワガタムシのようにこれはノコギリ、これはミヤマと
簡単に名前を特定することが難しいものも少なくありません。

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名前の通り頭の部分が象の鼻のように伸びているのでゾウムシという
名前が付いています(口は長く延びた先端にある)が、
あまり長く伸びていないものもいます。ちょっと変ですね。
まあ、昆虫なのでなんでもありです。

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図鑑やネットで大きさを調べるとわずか2、3ミリから3センチくらいまで様々です。
もっと小さなものもいるかもしれません。
長さが10倍変われば体積は1000倍違います。
小さいゾウムシからは大きなゾウムシは見上げるばかりの姿をしている
ということでしょうか。

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食生活は成虫も幼虫も植物の根、茎、葉、花、果実などを食べますが
種類によって食べる部分が決まっています。農作物やイチゴ、バラなどを
食べる困ったやつもいます。意外とこだわりのあるグルメなのでしょうか。
卵は普通、メスが植物に穴を開けてその中に産みます。

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危険を感じると体や脚を縮めて地面に落ちて死んだまねをします。
本当にまったく動きません。かなり長い間動かないのもいます。
ゾウムシは体がとても硬いのですがその硬さをさらに特化させ、
鳥が食べても消化できないので、食べないように進化させたものも
いるようで、地味ながらもなかなか凄い昆虫です。



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オオセンチコガネ [昆虫日記]

私の大好きな昆虫の登場です。
個人的には番付でいうと関脇ぐらいの格付けでしょうか。

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ロッジ長蔵の近くの古仲の林道で
これまで2回ほど見かけましたが、
いずれもあまり元気の無い個体でした。
ところが今回は元気百倍、色艶も申し分なく
しかも私を撮影してくださいと言わんばかりに
葉っぱの上にいましたので、喜び勇んで撮影しました。

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大きさは2センチくらいでしょうか。
皆さんもなんとなく知っているかもしれませんが、
センチコガネの仲間は糞虫と呼ばれ、その名の通り
動物のフンや死んだ小動物、ミミズなどを食べています。
そして幼虫もフンを食べます。
食生活はなんだがいまいちですが、
その金属の光沢はなんともいい難い魅力があり
虫好きの中にはファンも少なくないようです。
センチとは長さのセンチではなく、便所を意味する
雪隠(せっちん)が訛ったものだそうです。

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ロッジ長蔵の周囲には牧場はなく、
おそらくオオセンチコガネは鹿やタヌキ、イタチなどの
フンを幼虫の餌として利用していると思われます。
メスはフンを土の中の巣穴に持って行って卵を産みます。
牛や馬のような大きなフンがないので、
この辺りのオオセンチコガネは何かと餌集めが
大変なのではないでしょうか。
尚、この美しい色は地域によって変異があり、
場所によっては鮮やかな藍色、緑色があり、
ルリセンチコガネ、ミドリセンチコガネとも呼ばれています。
残念ながら私はこれらを写真でしか見たことがありません。
いつか実際にこの目で見てみたいものだと思っています。

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アゲハモドキ [昆虫日記]

ロッジ長蔵にはいろんな昆虫が舞い込んできます。
厨房でヒラヒラ飛んでいる黒い蝶を発見。

ロッジ周辺の黒い蝶といえば一番多いのがカラスアゲハです。
しかし赤い模様が見え隠れするので捕まえてみました。

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ああ、この蝶はこの近辺で過去に数回見かけたぞと思い出しました。
私はあまり蝶は詳しくないので小さな図鑑で調べてみましたが、
これだと思えるアゲハがいません。それでも一番近いのが
ジャコウアゲハです。

そこで群馬昆虫の森に行って
写真を見て頂くと、「これはアゲハモドキです」と言われました。
私の知らない名前です。さらになんと、「これ、蛾ですよ」とまで。

!!!驚きました。どう見てもチョウじゃないですか。

蝶は触覚が先端にいくにしたがって少し太くなりますが
アゲハモドキはその特徴がないので蛾に仲間になるようです。

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アゲハモドキは主に午後から夕方に活動します。
体の中に毒を持ち、外的に襲われにくいジャコウアゲハのメスに
擬態していると考えられていますが、ジャコウアゲハがいない地域にも
生息するので、この考えには疑問の声もあるようです。

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ちなみに昆虫の森の温室で優雅に舞っていた本物の
ジャコウアゲハがこれです。
比べてみるとアゲハモドキは
尾状突起(羽の先に飛び出ている部分)がジャコウアゲハより
少し短いなとは思いますが本当に良く似ています。

もしアゲハモドキがジャコウアゲハに擬態しているとしたら、
長い年月をかけてよくぞここまで自らの体を変身させたものだなと
感心させられますし、世界で100万種類以上が生息し
最も繁栄している種族である昆虫の底力を垣間見た気がします。

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エゾハルゼミ [昆虫日記]

現在、ロッジ長蔵の周辺ではエゾハルゼミが鳴いています。
天気のいい日は朝から盛んに大合唱が始まります。
山全体が共鳴しながら鳴いているようにも感じます。

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エゾハルゼミはブナなどの落葉広葉樹の林に生息します。
体はハルゼミより色が淡く黄土色です。またハルゼミは
アカマツ、クロマツを好むので生息場所も違ってきます。
鳴き声は図鑑では「オーギィ、オーギィー」とか
「ミーキョン、ミーキョン」などと書いていたりするようですが
私には「ギー、ギー、ギー・・・・・・・ケケケケケ」といった感じです。
人によって表現はかなり違ってくるのではないでしょうか。
最後の「ケケケケケ・・・・・」という部分はヒグラシにも似ていると思います。

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大きさは抜け殻でも判るようにはツクツクボウシより大きく
ヒグラシよりも小さいです。
セミの中ではハルゼミの次に鳴き始めるセミでその後の順番も示すと
ハルゼミ→エゾハル→ニイニイ→ヒグラシ→ミンミン、アブラ、クマ→ツクツク
という感じだと個人的には思っています。

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オスのお腹の中には音を出すための筋肉や膜、共鳴室などがあり
小さな体でとても大きな音を出してメスを呼びます。
セミの抜け殻は中国では生薬として使われたり、
世界ではセミを食べる習慣のある地域もあります。
うーん、世界は広い。


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大事件!! [昆虫日記]

こちらは昆虫日記のコーナーなのですが本日大事件が発生しましたので、
急遽昆虫ではありませんがお知らせいたします。

ロッジ長蔵の隣に「パークホテル」という宿泊施設がありますが、
その中になんと本日6月16日、アカショウビンが飛び込んできました。
時間は朝の7時頃のことだと思います。
何の鳥なのか判らなかったらしくこちらに持ち込んで来て頂けたお陰で
大幸運にも撮影をすることができました。
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実は去年もアカショウビンはこの近くで鳴いていて
今年は5月21日に初めてアカショウビンの声を確認していました。
時に遠く時に近く。近い時にはどこかにいないかと
辺りを見回すのですがその姿を見ることはできませんでした。
そして今日も早朝、近くで鳴く声だけははっきりと聞こえていたのですが、
まさかこのような形で目撃できるとは夢にも思っていませんでした。

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アカショウビンはカワセミの仲間で
夏に東南アジアから渡ってくる鳥ですが、
よくぞこんな遠くまではるばるやって来てくれたものです。
感謝感謝!!
その鳴き声は大変特徴があり図鑑などには
「キョロロロロ・・・・・」と鳴くと書いてあります。
実際、その声を一度聞けばウグイスの様にはっきりそれと判ります。
それにしても見事な口ばしの赤色です。
この姿も一度見たら忘れることが無いでしょう。

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さらに驚いたのは足までオレンジ色。本当に素晴らしいの一言に尽きます。
おそらくこのようなことは二度とないことでしょう。
間近に見られて本当に幸せでした。

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隠れ身の術 [昆虫日記]

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6月8日、ロッジ長蔵に隣接する戸倉スキー場の駐車場の地面でコブヤハズカミキリを見つけました。
枯葉の上にいたのでぱっと見たときには見つけにくいかもしれません。

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アップにしたときの写真です。
これだとはっきりとその存在が判ると思います。

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捕まえて葉っぱの上に置いてみました。
触覚が立派で、人間で言うと肩の辺りに2つの黒いコブがあります。
ヤハズとは矢の上端の弦を受ける所だそうです。
お尻の先端が二つに分かれていますが、その部分がヤハズに似ているので、
この名前が付いたのでしょうか?

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同じく6月8日、戸倉スキー場の駐車場で葉っぱの上を芋虫が歩いていました。
観察するとそのうち葉の中心を歩き始めて一瞬その姿を見失いそうになったので、
思わずシャッターを切りました。
なかなか見事な隠れ身だと思いませんか?

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とても小さな虫たち [昆虫日記]



一寸の虫にも五分の魂という諺がありますが、
小さな生き物の代表はやはり虫になるのではないでしょうか。

小さな虫といわれてパッと思いつくのはアリがいますが、
虫の中にはアリよりも小さなものもいます。

先週末、6月4日・5日、
尾瀬ヶ原で撮影したそんなとても小さな虫たちを紹介します。

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参考までに
この写真はゴマです。定規の上に乗せて撮影しました。
大きさはほぼ3ミリです。
このゴマを基準にこの後の虫の大きさをイメージしていただければと思います。



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黄色い花は尾瀬ヶ原の春を告げるリュウキンカです。
小さな花ですがその花の中心に虫がいました。
残念ながら定規を添えて撮影することができませんでしたがその大きさは2~3ミリでした。
ちょこまか動くのでピントを合わすのも難しくはっきり虫の種類がわかりません。
多分ハチやハエの仲間なのでしょうが・・・。



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これも同じくリュウキンカの花で見かけました。
これは見てのようにクモです。
昆虫を紹介するコーナーですがクモも広い意味で虫ということで
このクモも報告させていただきます。
定規の大きさからだいたい3ミリくらいでしょうか。
ゴマと同じ大きさです。
リュウキンカの花の上で何匹も見かけました。



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これはサンカヨウの葉の上にいた黒い虫です。
ハムシの仲間なのでしょうか? 
私の持っている小さな図鑑には該当の昆虫がいませんでした。

それにしてもこの虫はとにかく小さいです。
ゴマよりもずっと小さくてそして生きているのですから不思議な気分になります。

私が撮影中に何をしているのですかと男性に尋ねられました。
指差しながら説明すると、この小さな点が虫ですか!?と驚かれました。
一般の方の素直な反応だと思います。
もっとよく観察しようとさらにカメラを近づけると、
それこそフライパンで温めたゴマがはぜるようにぴょんと姿を消してしまいました。

この虫は確かロッジ長蔵でも過去に何度か見た記憶があります。
是非とも名前が知りたいものです。判明しましたらまたこのブログで報告いたします。


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イタドリハムシ [昆虫日記]

古仲からロッジ長蔵に向かう林道ではいろんな虫たちに出会うことができます。

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写真はイタドリハムシという虫です。その名の通り多くのハムシは幼虫も成虫も葉っぱを食べます。
イタドリハムシはその名の通りイタドリを食べますがギシギシも食べるようです。

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イタドリハムシはハムシの中では中型の大きさですがそれでも大きさは1センチ弱です。
写真を見て判るように黒地に派手なオレンジ色の文様があります。
見方によっては毒々しく感じるのは私だけでしょうか。
気温が上がるとイタドリの葉の上をせわしなく複数で動いているのをよく見かけます。
かなり動きも速くそんな時は写真を撮る時にも被写体がぶれてしまい困ってしまいます。

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ハムシは体に光沢があり種類によっては大変美しいものも少なくありません。
うまくそのような種類を撮影できたらまた紹介します。

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